プロローグ

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プロローグ

「今日から俺の奥さんだからよろしくね」  何を言っているんだこの子は。  身長は175センチくらいで小さな顔に、大きな目、綺麗な二重で瞳の色は薄茶色。鼻もすらっと高く、ふっくらした唇。薄茶のサラサラヘアは、いかにも可愛い系男子。髪を伸ばせば女の子と見間違えてしまいそうなくらいの美形男子。 「俺の妻です。なんちゃって。あはは。なんか恥ずかしいね」  何を照れながら一人で言っているのだろうか。  たった一度酔った勢いで一夜の過ちを犯してしまった。  そりゃ信じられないほどに極上の一夜を。  でも私はそれ以上を望むことはない。ましてや責任を取ってなんて迫るような発言をした記憶は一切ない。いや、この場合責任を取らされたのは私の方か?  彼は私がマネージメント兼店長をしているカフェの従業員だ。そして私はそんな彼とルームシェアをしている。といっても私の家の空いている部屋を無償で提供しているので彼はいわば居候。  部屋を提供する代わりにカフェでバイトをしてもらっているのだが、今日から私が彼の妻?  いやいや、よく分からない。
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