225人が本棚に入れています
本棚に追加
/103ページ
『ねえ、凛音』
『何?』
『凛音が1番楽しい時って…何をしてる時?』
「探偵事務所」である凛音の部屋で、私は聞いた。
『そうだな…』
静かな2人だけの空間。
ちょっとしたドキドキが私の胸に宿る。
『ミステリーを読んでる時、事件と向き合ってる時…みんなといる時、あとは…』
『って、そんなにたくさん言ったら1番じゃないでしょ』
私は、ちょっとほっぺたを膨らませた。
『1番なんて…決められないよ。じゃあ、紬の1番は?』
そんなの…
「凛音といる時」
なんて、言えないよ。
『ひ、み、つ』
『それじゃあ、僕と一緒だよ。答えになってない』
凛音の優しい笑顔。
本当に、素敵過ぎて…
『いろいろあったけど、凛音のおかげで赤田さん達が元気になって…本当に良かったよ』
『僕のおかげじゃない。みんながいろいろヒントをくれて…それと、紬の「感覚」のおかげだ。ありがとう』
そう言って…
凛音は、私の頭をポンポンした。
最初のコメントを投稿しよう!