6月·約束の日

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6月·約束の日

「さゆ~っ?覚えてっかぁ?明日だぞ!」 「わかってるぅ~」 ***** 私達はバッティングセンターにいる。 サッカーウェア姿の蒼真がバットを持っている不思議な光景を、サークルネットの外から赤いペンキが剥がれて足がガタガタしたベンチに座り、自販機で買ったレモンスカッシュを飲みながら見ている。 蒼真はあの選手の真似をしてバットの先を私に向けて笑ってる。それを見て片頬を上げるだけの笑いで返しレモンスカッシュを一口飲む。 1.2.3.----------------15.16 えっ、何?なんでこんなに打てる?せいぜい10本位だろうと思ってたのに!やばい! 17.18.19 本当にまずい!後1本……。 このままじゃ…万が一デートして誰かに見られたら私殺される! ズコ~っ! 大きな空振りとあまりにも哀れなコケ方の蒼真を見て爆笑した。安堵の気持ちと合わさって涙を流して笑った。いつぶりだろう、こんなに笑ったの……。
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