6月·約束の日

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明日のサッカーの応援演奏の準備で楽器を運ぶ用意をしなければならない。 楽器を運搬する時に使う毛布を取りに眞子と廊下を歩いていると翔平が歩いて来る。ふたりが目配せをしているのを平然と見ていられる自分に少し驚いていると、眞子が話しかけて来た。 「早由利、知ってた?翔平ね八木蒼真に頼まれてここ1ヶ月ずっとバッティング教えてたんだよ」 「えっ?」 「ねっ?ビックリでしょ?何のためだろうね?」 眞子はちょっとだけ微笑んで私を見て先に歩いて行ってしまった。 蒼真は本気だったの?私を元気付ける為だけじゃなかったの?いや、そんなはずはない。蒼真の事は私が一番よく知ってる……。 そんな事を考えていたら回りの声がただのBGMにしか聞こえない。 用意が終わって駅で眞子との別れ際。 「じゃっ、明日9時ね」 「えっ?」 「やだ、早由利聞いてなかったの?明日のサッカー応援演奏の待ち合わせ」 「あっ、そうそう9時ね」 やっと我に帰った私はじゃあねと反対側のホームに向かう眞子に手を振った。
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