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首相官邸は、綺麗に二分されていた。
「これでよし。王宮に向かうわよ?」
余波で吹っ飛ばされた兵達は、半死半生で転がっていた。
「戒厳令下で転移魔法は封じられてますわ」
「ねえ、1人忘れてない?あの子の命令1つで、王宮に爆裂ミサイルが降り注ぐのよね?」
ああそれは。
「アリエールの鉄槌ですのね?」
魔王が開発した、自身の名を冠する恐怖のミサイル兵器だった。
「そう言えば、救星ガールズ勢揃いまでもう少しですわね。何をしていますの?あの子は」
携帯で同居人を呼び出してみた。すぐに出た。2コールで出た。
「即ハボ城主アリエールの守護者ですけど何か?ニャンペロしたいのアリニャンちゃんを」
アホみたいな声がした。
「イゾルテ!何をしてますの?!」
出たのはイゾルテ・フレイアだった。
「もう私はイゾルテ・フレイアじゃない。身も心もイゾルテ・フレイア・エルネストになった。さっきしぇんしぇいが城に泊まっていった。アリエール。私、多分ママになった。今は気だるい情事の余韻に浸ってる。アリエール、欲求不満が溜まってるなら帰って来て。しぇんしぇい直伝の指クチュクチュとペロペロで、きっとアリエールのニャンニャンちゃんに「じょー」を。大丈夫オシッコじゃな」
電話を切ってフランチェスカを見た。
「今妊娠中ですわ。何もしないのは間違いありませんわ」
ふーん。地の底から響くような声だった。
「イゾルテまで?ユノに貴女、エメルダに続いてイゾルテまでもが?」
「それについてはコメントのしようがありませんわ。あ、お腹の子が蹴りましたわ。ぎゃあああああああああす!!」
襲いかかられてぎゃあああすって言っていた。
「これね?!このおっぱいね?!これでうちの人を誑かしたのね?!この邪悪なおっぱいが!憎い!この!このこの!」
「ひいいいいい?!やめてくださいまし!私だって驚いてますのよ?!この前、お腹の子のママになると言って襲いかかってきたイゾルテをちゅどーんしたばかりですわ!よもやイゾルテが先生のワンちゃんを受け入れるとは!ああ!先っちょコリコリしたら!ひいん!滲んじゃいますわ!」
「生む前にもう出ちゃうのねおっぱいが!私のは散々ペロペロされたのに、出るようになったのはステラが生まれた後だったのよ?!体質の差にあぐらをかいて憎い娘っ子達が!彼の味を!きっと解るわ!私は犬勇者の奥さんなんだから!」
「ぎゃあああああああああむぐ!!」
艶かしい舌が口腔内に侵入してきた。
何て変態夫婦ですの?ひいそこは!
口をねぶり回しながら、フランチェスカは空き部屋にアリエールを引っ張っていった。
「大丈夫よ。私は割とお姉様って呼ばれてるから」
「本気ですの?!ぎゃあああああああああす!!」
アリエール・リトバール・エルネストは、フランチェスカ・ルバリエ・エルネストによるセクハラを受けることになった。
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