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もうすぐ嫁と遭遇する
ベッドの上にあぐらをかいて、ジョナサン・エルネストは愛人と対面座位でヘニャヘニャになって絡み合っていた。
「どこで買ってきたんだ?ミラニャンコ♡猫耳カチューシャ付けちゃって♡」
「にゃー♡ニャンニャン♡」
「可愛いすぎる♡ワンちゃんが奥まで♡なあ、何が好き?俺のワンちゃん好きか?今どこが気持ちいい?♡」
「ニャン♡ニャア♡」
「そっかー。ミラニャンコはニャンニャンちゃんがいいのか?♡」
「ニャアアアアアア♡ニャアアアアアアアア!♡」
「あー♡痙攣しちゃって♡そのままもう一回しようなー?ユッサユサ♡あああああ♡」
「フニャアアアアアアア♡ああ♡ニャニャ♡ニャニャ♡」
「ちゃんと着床したな♡ああ全身からママの匂いが♡愛してるぞミラニャンコ♡」
抱き合ったまま、濃密なキスを交わしていた。
さて。と。
轟沈した愛人の唇を軽く塞いで、ジョナサンは足取りも軽く歩き出した。
まあこんなもんかな?衝突前にミラージュが妊娠してよかったよ。
これで帰れる。
ああ、その前に挨拶しとくか。
俺もエビルの神学大全読んだしな。
ってことは、当然ミラージュも読んでるよな。
あいつ3歳の頃から古代語の本読んでたらしいし。
ミラージュは馬鹿だが愚者じゃない。
一度きちんと話しとかないと。
元離宮への入り口前には、アリーシャ・シェラザードが詰めていた。
「誰何!!」
「俺だよパーーアリーシャ。奥に行きたいんだ通せ俺を」
「今言ったな貴様?!パンツと!私は風砂の一族族長が娘!その誇りに賭けて貴様を撃つ!そうすれば私は!彼氏とついに結婚の報告が!」
「おぼこじゃないのは匂いで解る。お前、ミラージュにちゃんと報告しないから。危うくお前が俺のワンちゃん味わうことになってたぞ。退けってそこを」
引き金に触れた指が固まった。
な。こ、これは。
既にジョナサンは目の前にいた。
白い粉が舞って、アリーシャは眠りについた。
匂いで解った。ここにいる。
頭の悪い神、アフロディーテの奴が。
扉を開くと、ほぼ全裸の女がベッドに座って足を開帳していた。
「はあい♡パリワンちゃん♡」
「誰がパリワンだお前は。まさかセントラルにまで神がいたとはな。アフロディーテ。そこにいるのは使いのカリスだな?エビルによればアフロディーテの眷属の3女神ってことになってるが」
「そうよ。この子はタレイア。実をいうと初代のウィンシュタットよ」
「タレイア・ウル・ウィンシュタットでございます」
「ウィンシュタット王朝の最初の王妃、タレイア妃か。絵でしか残ってないからな。これで解った。アフロディーテ、お前、ミラージュをカリスにするつもりだったな?」
ジョナサンはそう言って、腰の9ミリのセーフティを解除した。
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