はじめに

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はじめに

 戦国歴史小説にチャレンジしようと思い、その構想を練りだしたのは2013年の事です。題材は立花宗虎(むねとら)(通称は立花宗茂(むねしげ))と決めていたのですが、なかなか構想がまとまらず今も迷走状態です。  中学時代、現立花家とはほんの少しだけご縁があり、それをきっかけに立花道雪(どうせつ)(作中では戸次(べっき)道雪)、宗茂(宗虎)、誾千代(ぎんちよ)姫の事を知りました。  その清廉な生き方や義の通し方、人に対する心構えなど、当時歴史というものに全く興味のなかった私でもワクワクするような話をたくさん聞くことができたのです。  歴史とは教訓の集大成であり【何年】に【どこ】で【誰が何をした】というようなことを暗記する作業ではありません。一つの事実に対する解釈が触れた人の数だけ多種多様に存在するものです。  過去の一人の行動においても、それが善行にとられたり悪行にとられたりと捉え方は様々なのです。  だからこそ面白い。  ようやく踏み切った今回の小説「二輪花 -メオトーデ- 」ですが、これを書くにあたりひとつ決めていたことがあります。  それは史実に捉われた歴史の説明書にならないように心がけるという事です。  ゆえに作中では史実から大きくかけ離れた創作の部分が多々見られると思いますがその点はご容赦ください。  あくまでこの小説は私の心の中にある立花宗虎(むねとら)と、誾千代(ぎんちよ)の物語なのです。
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