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「美緒。何か邪な考えをしていないか?」
その時、道弘さんの鋭い視線が私に直撃!
「あああうううんん、べっつに――――っ! このドレス綺麗―って見てただけー」
アブナイ、アブナイ。私はすぐ思っている事が顔に出てしまうから、道弘さんに咎められる事が多い。イチ君と道弘さんのあんな××やこんな××を想像していたなんて知られたら、お仕置きどころの騒ぎではない。
「邪悪な気配を感じた気がしたが、気のせいという事にしておいてやろう」
ううっ。お見通し!
「気のせいよ。気・の・せ・い。わー、このドレス綺麗―。あ、こっちの可愛い方もいいなぁー」
わざと話を逸らせた。
「気に入ったのなら、試着すればいい。美緒が欲しいドレス、何枚でも買ってやるぞ」
「その言い方、パパ活しているみたいで嫌なんだけど。しかもお姉ちゃんの旦那に」
「パパ活? パパ活とは何だ」
イチ君が怪訝そうな顔で尋ねた。
「パパ活も知らないの? イチ君てば、遅れてるー」
「俗なものは知らん」
「俗っぽいっていうのは解るんだ」
「美緒の言い方から推測したまでだ。して、中松。パパ活とは何だ? 私に解るように説明しろ」
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