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「一矢様は放っておいても女性の方から寄ってきます。やはり無縁かと」
「そうか。まあ、今の説明でこの活動の内容がよく解った。あまりいいものではなさそうだ。金銭が絡むと関係もおかしくなる」
「そうでしょうとも。ご納得されたようで、何よりで御座います」
・・・・そうか。イチ君が道弘さんを全面的に信用し、彼をずっと傍に置いている理由が分かった。
道弘さんはイチ君が納得するまで討論に付き合うし、絶対に彼を『こんな事も知らないのか』みたいな態度で馬鹿にしたりしない。
そっか。お姉ちゃんが拾って、イチ君が飼う事にしてから、長い年月が経ったもんね。最初は怖い人だと思っていたけれど、知れば知る程優しくて情熱的で、その人となりを理解しようとしてくれる。
道弘さんは、改めて素敵な人だ、って思った。
私の目に狂いはない。道弘さんとなら、幸せな家庭を築いて行ける。
「ちょっと、パパ活の話よりドレスよ、ドレス! 主役を放っておくなんてどういうつもり?」
別に怒っていないけれど、こっちの世界に戻す為にわざと文句を言った。
リアルBLは、お仕事の時にでもやってちょーだい。
「はっ。そうだった。すまない、美緒。じっくり選ぶとしよう。さあ、中松。お前のタキシードも私が見繕ってやる。三成家の執事代表として、恥じぬ衣装を纏(まと)え」
「はい。身に余る光栄で御座います」
「よーし、そうと決まったら、片っ端から試着していくぞ!」
えーっ。それ絶対に今日中に決まらないパターン!
ま、イチ君があんなに張り切っているんだから、夫婦で付き合ってあげますかぁー!
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