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次は私が道弘さんを縛って、目隠しして、仕返ししてやるんだから!
でも今は、ただ委ねよう。
彼のくれる快楽に、身を置いてしまおう。
「・・・・道弘さん。早く、道弘さんが欲しい」見えないままで私は腕を広げた。「早く来て」
私は彼を自分の体内(なか)に誘った。
ゆっくりと侵略してくる彼に、もっと深くまで、とおねだりした。
ぐっと深く入って来る欲望を最奥で受け止め、ぎゅっと強く彼の逞しい背中を抱きしめた。今は見えないけれど、ここには鳳凰がいるんだ。そう思うと、切なく、愛しくなった。
この背中の鳳凰ごと、道弘さんは私が守る。
貴方を苦しめる過去を、これからの素晴らしい未来でかすんでしまう位にしてやるんだ!
「私・・・・道弘さんを一生守るから」
「突然どうした?」
「今は見えないけど、私、この鳳凰好きだよ」私はそのまま背中を撫でた。「だからもう、過去を蔑んだりしないで。この鳳凰は、道弘さんが生きて来た証だよ。その証があるから、今の道弘さんがある。私は今の道弘さんに会えて幸せ。だから・・・・ずっと貴方を大切にします」
言った後、暫しの沈黙。
あれ・・・・外した?
「・・・・美緒」
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