手記:本文

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 内田の過去を知り僕も顔と名を知っている人は、そう多くない。家族である、内田しおり。内田の叔父と何かしらの関係があったらしい、立花警部補。今朝訪ねてきた、西林のぼる。  そして、内田に何かと事件の依頼を持ち込んできたフリーライター、新上翔。  夏の事件は、内田と新上によって解決がなされたと見ている。僕は通過儀礼殺人をまのあたりにはしたけれど、目撃者であって関係者ではなかった。  内田は知らないところで、事件の真相に近づいた。それには情報屋とも称されるフリーライターの力が必要だったに違いない。加えて、新上は大いなる私情をもって通り魔についても内田に依頼をしていた。それだけ密な連携の取れる二人の間に、内田の過去の話が持ち上がらないわけはないだろう。
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