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「ふふっ、ホントは覚えているよ。あれから7年もよく付き合ったよね」
休日の午後、俺のアパートの薄汚れた部屋の中。
雨が降る窓の外を眺めながら亜里沙が言う。
最近は、お互い仕事が忙しく会える日も少なくなっている。
ラインを送っても返信が翌日なんてこともザラだ。
俺ばかりが、好きでいるようで2人の明日を確かめたくなる。
「なあ、雨があがったら出かけないか?」
「んー、いいけど、何処にいくの?」
「雨があがったら、言うから」
「なにそれ? 感じ悪い。早く言ってよ。コータのバカ」
苛立ち紛れに亜里沙の投げたクッションが俺の肩に当たる。
「ごめん……」
「長年一緒に居たって、言ってくれなきゃ伝わらないよ」
「うん、そうだね」
もしかして、亜里沙の心が俺から離れているのでは?と不安な気持ちを上手く伝えられずに言葉を飲み込む。
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