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 やがてアリストテレースはいつか自分の理想とする学園を作ろうと思い、その資金稼ぎのためにもアテナイを飛びだした。そして生物学の研究などを続けながら職を探した。  そんなある日、アリストテレースが有力者の子弟の家庭教師をしていると、やんちゃ盛りの子供が最近はまっているというものを見せてきた。  それは以前アリストテレースが苦労して作ったのとよく似た、木箱の一側面にガラス版をはめ込んだものだった。 「今夜は満月だからよく見えると思うよ」とその子供はアリストテレースに言い、晩餐のあとに自分の部屋に招いた。  アリストテレースが見ていると、その子供は木箱の位置や向きを変え、裏側のつまみをいじって調整した。そしてガラス面が明るくなり、そこに人の姿が映った。
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