火照るのは、青。

　卒業して10年経ったというのに、皆変わらない。

　スーツや上品なワンピースが似合うようになっていたりの変化はあるが、話すと一気にあの頃に戻る。

　あの頃の、甘酸っぱい記憶も。

　10年前より綺麗になっていたあの娘。話しながら左手をちらっと見て、心の中でホッとする。
　1度だけ冗談っぽく『好き』って言った事があるけど、返事は無いまま。

　2軒目で隣に座った時、こっそり耳打ちされた。

　『ねぇ、あの告白、覚えてる？』

　彼女の顔が赤い。多分、俺も。