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「んーそれは約束できない。だってもう俺ら友達じゃん!」
「友達ってどっから友達なんだよ?」
友達ができたことがない僕は友達の概念があんまりなかったって言うかわからなかった。
「はっ?友達って思ったら友達なんだよ?」
待って待って意味わかんない。友達って思わなければいいんだ?
「思わなければいいんだね?」
「いやいや、もう出会った瞬間から友達なんだよ?だから俺らはもう友達だ!よろしくな?」
友達?よろしく?僕はその言葉が怖い。でも碧衣君なら信じていいのかな?
いやいやダメだ。何度もそうやって信じて裏切られてきたじゃないか。
「信じれないならゆっくりから始めようぜ!あっ、まだ聞いてないよな?名前教えてくれ」
ほんとに信じてもいいの?僕は人が怖いんだ。
「僕…体は女の子なんだよ?でも心は違くて気持ち悪いって思わないの?」
「お前はお前だろ?なんか気持ち悪いとか思わないといけないんだよ?」
初めて言われた…。お前はお前だって…。
そのままでいいのかな?このままの自分でいていいのかな?
「お前はお前のまんまでいいんだよ!だって自分の人生だし?」
自分の人生…。そっか…僕は僕の人生なんだ。両親や他の人の人生じゃないんだ。
「碧衣くん、こんな僕だけどよろしくお願いします。」
こんなこと言ってくれる人なんていなかった。
だからなんでだろ凄く嬉しい。
「おう!つかマジで名前教えろよー!俺もお前の名前知りたいし…。」
「あっ、ごめん…。僕は莉都。雪風莉都って言うんだ。よろしく碧衣くん。」
「莉都って言うんだ!かっこいい名前じゃん!あとお互い呼び捨てで行こーぜ!莉都っ!」
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