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僕の人生って?小中校編
僕の名前は、雪風莉都
僕には周りと違うことが一つだけある。
それは、僕の心と体が違うことだ…。僕は小さい頃から違和感しかなくてなんで生きてるんだろうって何度も思った。生まれ変われるのであれば今すぐにでも生まれ変わりたいぐらい。
でもそんな僕に転機が訪れたのは小学五年生の時の春に来た転校生、平坂碧衣という人だった。僕はその頃から女の子の格好するのがほんとに嫌でクラスのみんなから¨キモイ‥って言われて嫌われていたのにその子だけは何度も何度もめげずに話しかけていた。
「俺、碧衣って言うんだ、よろしくなっ!」
「僕に構わない方がいいよ」
家族にも嫌われている僕が人と仲良くするなんて…。
「でも俺、転校してきたばっかりでさ、何も分からないから教えて貰えると嬉しいな!」
「あのっ、平坂くんさえ良ければ、私たちが教えようか?」
僕のクラスの可愛い女の子たちが何やら頬を少し染めて転校生に話しかけてきた。
そうか…。こいつはかっこいい部類の人間なんだ。僕みたいな出来損ないなんてはなから興味なんてないよな。
「いや、俺こいつに案内してもらうからいいや。でもありがとな!」
えっ…。こいつ何言ってるの?僕に案内してもらうって言った?いやいや聞き間違えだよな…。僕なんかが案内出来るわけないしな、うんそうだ。
「ほら、行こうぜっ!」
ーグイッ
「えっ、ちょっ、待ってよ!」
突然腕を掴まれてそのまま教室を飛び出して行った。
「ちょっ、止まって」
「あっ、ごめん…。」
やっぱり、この人見た目通りで足が早い。廊下を少し走っただけで息がきれる僕と普通にしているこの人。やっぱりかっこいい人ってなんでもできるんだ。
「あのさ、なんで僕なの?」
「えっ…何が?」
いやいやいや待って、なんだ今の質問でわかんないんだよ!
「だからなんで僕がきみの案内をしなくちゃいけないわけ?大体僕するって一言も言ってないのに。」
「僕は君じゃない!碧衣って言う名前があるんだからちゃんと名前で呼べ!わかったか?で、案内して欲しい理由は、ただ単にお前ならちゃんとしてくれるっておもったからだ。それじゃダメなのか?」
「もしかしたらちゃんとしないかもよ?案外悪い子かもしれないんだよ?」
ここまで言うとみんな引き下がる。でもこいつ…じゃなかった碧衣くんはそうじゃなかった。
「俺の目に狂いはない!」
ドヤっとつきそうなほどいい顔をして僕を指さしてきた。
「ま、まぁ案内くらいしてあげてもいいけどその代わり約束して欲しい。案内が終わったら僕に話しかけないで欲しい。これが約束できるならしてあげてもいいけど。」
これは絶対に譲れなかった。家族もろくに笑顔に出来ない人が他の人を笑顔に幸せになんて出来ないから。
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