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「大事な大事な、妹の美空ちゃんに何かあったの〜?」
覗き込む様に俺を見る美穂の顔は、何故だかニヤついている。その表情に違和感を感じた俺は、美穂を問い詰めた。
「お前、あいつに、何かしたのか!」
俺の剣幕に、ピクリと眉を動かしつつも、美穂は、可笑しそうにニヤニヤとしている。
「べっつに〜。あたしは、何もしてないよ。ただ、頼りになるお友達に、美空ちゃんが邪魔だなぁ〜って愚痴っただけ」
「おまっ……!!」
体が震え出す。美穂に対する怒りなのか、それとも、美空を失ってしまうかもしれないという恐怖なのか。
得体のしれない震えを纏いつつ、美穂を睨む。美穂は、ニヤニヤとした笑みをさらに深めた。もう、笑顔とは言えない狂気に満ちた顔で、美穂は、俺に迫る。
「あたしを受け入れない、あなたが悪いのよ! いつもいつも、美空、美空って! あんな子、いなくなればいいのよ! そうすれば、あなたもシスコンじゃなくなるわ!」
「……っ」
美穂の言葉に、俺は一瞬怯む。その隙をついて、美穂は、ずいっと顔を近づけてきた。目の前に、狂気に満ちた美穂の顔。
思わず後ずさろうとしたが、ものすごい力で胸倉を掴まれ、勢いそのままに、美穂は自分の唇を俺の唇に押し当てた。
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