【episode7】命懸けの恋

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【episode7】命懸けの恋

太宰治は、38歳で絶命するまでに5回の自殺を試みている。 最後の時を迎えたのは水の中。 愛人と一緒だった。 彼には、妻と2人の幼児(おさなご)がいる。 だがしかし、彼は恋と文学に生き、情熱のままに肌をぶつけ合った相手と共にこの世を去った。 太宰は命を絶つ際、妻に一通の手紙を残している。 『お前を誰よりも愛していました。』 私は、誰に向けて最後の(ふみ)(したた)め、誰と最期の時を迎えるのだろう。 まだ、その骨格は見えない。 だが、私が心から愛している誰かであることだけは確かだ。
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