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ーーうわぁぁぁぁ。
僕は飛び起きた。
後味の悪いあの時の夢。
目が覚めると身体中が汗で濡れていた。
ーーはぁ。
ーー夢か。。
僕は深いため息と共に、体を起こした。
あたりを見渡す。
そこにはいつも通りの日常が転がってるはずだった。
「ーーねぇ、私の事覚えてるの?」
ーーえぇぇぇ。
「何で君がここに??」
これは現実だった。カギは閉めてあったはずなのになぜ??
どうして入って来れるの??
「ーー答えて!」
先程までより、強い口調で彼女はそう言った。
「忘れられるはずがないだろう」
「じゃ、なぜ私を避けるの?」
ーー避けるも何もない。
「君はただのストーカーだろう?ーーもー僕の事は忘れてくれ」
「何でそんな事を言うの?」
彼女に付きまとわれた日々の恐怖と、記憶を辿る。
この世界はまた新しい季節を呼び込む。
だけど僕は長いあの事件の中に取り残されたまま、抜けられないでいる。
「ねぇ、私の事ーー覚えてる?」
終わり
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