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「…羽、侑羽。」 ぼんやりとした視界の中に、はちみつ色が飛び込んできた。 「…り、お、、、?なん、で?」 「侑羽が電話してきてくれたんでしょ?」 そう言われて見れば、電話をしたようなしてないような。 とにかく体が熱くて、苦しくて。 何かにすがっていたくて、堪らなかった。 …俺は、もしかして梨央が離れていくのが嫌で、発情期を起こしたのかな。 婚約者がいるって話を聞いたから、梨央をこうやって繋ぎ止めようとしたのかな。 何て浅ましいんだろう。 「もしもし、って言っても何も答えないから、心配になって慌てて来た。」 梨央が微笑んで、俺の頭をふわりと撫でた。 番と言う関係で、梨央を縛り付けるようなことしたくなかったはずなのに。 久しぶりに梨央が俺に触れてくれたのが嬉しくて。 「…りお、さわって?もっと、、」 浅ましい俺は、梨央がほしくて堪らなかった。 「っ、…そっか、辛いよね。大丈夫だよ、僕がずっと側にいる。」 ふわりと抱き込まれると、梨央のレモンのような甘い香りが俺を包んだ。 「あっ、…んっ、」 「ごめんね、触るよ。」 梨央の手がするりと下着の中に入り込んで、俺のものに触れた。 「やっ、んん、…いっちゃ、ぅ、ああっ、」 それから、何度も何度も梨央の手によって俺の欲は吐き出され、いつの間にか意識は途切れていた。
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