19人が本棚に入れています
本棚に追加
ガラスにうつっているのは信じられないような美しい人物だった。キッレやキヴィンナの事も美しいと思ったが、それの比較じゃない。
男とも女ともつかぬ様な細身で、身長も周りの人と比べ高すぎず、低すぎず。
絹の様な髪は一見すると白いが近くによると銀色に煌めいている。
瞳の色もとても薄い水色で、光が当たるとガラス玉の様に銀色に輝く。
肌の色は陶磁器のように白い。
白い肌に唇の赤みがまるでリップでも塗っているようだ。
つまりはだな。
神々し過ぎる生き物だ。
「ノーーーーーーーーー!」
周りの人がビクッとして只でさえ離れている距離を一歩下がっていった。
だって、思わず叫ばずにはいられない。
こんな男だか女だか分からないような容姿じゃ、可愛い女の子にモテるという俺の夢が!
絶望に肩を落として、その場に座り込んだ。
なぜ男らしさが微塵もないんだ。
キッレは美しく整った男だが、女に間違えられる事は絶対にないような体型と顔をしている。
逞しい筋肉に顔立ちもガッシリしている。
それなのに、俺の筋肉は細身過ぎるし、顔はやさ顔すぎる。
俺の創造したヤツが俺の理想を全て持っているなんて悔しい。
最初のコメントを投稿しよう!