19人が本棚に入れています
本棚に追加
見慣れない街の中をあっちこっちと逃げ回り、体力的にも精神的にも追い詰められてきた。
神なのに限界が近いってどういう事よ?
人間だった時の記憶があるせいで頭が勝手に制限を加えているのか、はたまた天上では怠惰な生活をしていたので自らの限界を知らなかっただけか。
兎に角、辛い!!
しかも、曲がり角を曲がったその先は行き止まり。
前も横も建物で囲まれた薄暗い場所で八方塞がりだ。
「はぁはぁ…もう…無理」
観念した俺は膝をついてその場に倒れるように座り込んだ。
こんなに走ったの前世でも高校生の体育の授業以来だ。しかも、体力テストで。
「「やっと追い付いた」」
頑張って距離を離したと思ったのに、近くで声が聞こえて驚いて振り向いた。
そこにはスラリと背の高い男女が後2歩程で俺に手が届く所にいた。
近いけど、暗がりでよく容姿は見えない。
疲れて動けない俺に2人は1歩、2歩と近寄ってきた。
最初のコメントを投稿しよう!