神様、思い出す

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神様、思い出す

良く有りがちなんだけど、前世を急に思い出した。 しかも、階段から落ちてその衝撃で思い出した。 階段が1000段くらいあって、それから勢いよく転げ落ちて、走馬灯のような物を見たのだ。 日本人で、ごく平凡な男だった。 幼稚園くらいから大学生くらいまでの記憶があり、どれも誰もが想像できるような本当に普通の男だった。勿論、容姿も並みだ。 それはこの体になる前の自分だったと直ぐに理解できた。 あー、前世は平凡で平和だったな。 ゴロゴロと階段を転がりながら、呑気にそんな事を考えていた。 1000段もあるから思い出してもなお止まらない。 「「「「「ギューーーーーード!!!」」」」」 とても沢山の者達が俺の名前を叫んでいる。 そんな必死にならなくても階段から落ちたくらいでは死なないんだけど。
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