第8話 動き出す次世代の頂点たち

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「………………待てよ」 曖昧だろうが何かしらの根拠を元にして立てられる、それが仮説という物である。 ユラシルは剣をシーテから引き抜き、ネイフィーに見張っているよう指示。それからユラシルは床に剣を刺して座り、刃に映る自分の顔をジッと見つめる。思考に没頭するためのユラシルなりのやり方である。 さあ、思考に浸ろう───。 「………」 仮説に仮説を繋いでいけば、どこかで真実に近づくことも出来るかもしれない。 「………」 今と未来の知識を元に仮説を立てろ。パズルのように繋ぎ目を見出だし、一つ一つを繋げて広げろ。 「………」 ありもしない、本当は的外れだとしても、頭の中にある確かな知識で本物に迫れ。 「………」 最も現実的で、自分が一番納得出来る形でパズルを完成させろ。 「───…出来た」 パズルが組み上げられた。 仮説にまみれた群像が形になった。 「シーテ、ここでお前と出会えてよかったよ。ありがとう」 「っ…?」 「後は真実を明るみにするだけだ。それはこれからじっくりやっていく、俺の仮説のどこが真実と一致してどこが違うのか、着実に情報を集めていかなきゃな」 立ち上がって剣を持ったユラシルはネイフィーを下がらせる。 「シーテ、お前らはこれまで人間を大勢食い殺してきた。でもそれは生きるためにしてきたことだ。だから俺はお前が何人殺しててもお前を見逃すよ」 「ッ!?ま、待ちなさいユラシル!!何を言っているの!?こいつらのせいで私様の国民は殺されたのに、そんな理由で生かしておくと言うの!?」 「気持ちはわかるぞネイフィー。でも人間だって生きるために動物を殺して食う生き物なんだ。人間だけが特別じゃない、世界の仕組みはそういうモンで、どこかで折り合いをつけなきゃ共存なんて無理な話だろ」
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