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───ヂリッ!
『あんたってホント呆れるくらいいつも通りよね。挫折とかしたことないわけ?』
『はあ?なんだよいきなり』
『子供の頃からの付き合いで一緒にいること多い……ていうか今もほとんど一緒にいるけど、あんたの自信はどこから来てるの?あんたのせいでいろいろ付き合わされてんだから納得いく答え寄越しなさい』
『藪から棒~。俺の自信がどこからって言われてもなぁ、ん~~……、自分を信じることって当たり前のことじゃねえか?』
『へ?』
『出来ねえことを出来ねえって納得すりゃそこまでだろ、出来るようには絶対ならねえ。でも自分でも出来るって信じりゃ出来るかもしれねえ。だから俺はやるだけやって、それでも無理なら観念する、出来ねえからってすぐに諦めるなんて勿体ないだろ?』
『も、勿体ないって、あんたどんだけ前向きなのよ』
『出来ないことが出来ればそれだけ自分が強くなったってことだろ。弱いままより強くなった
方がいいに決まってる。俺が俺を信じれなくなった時は俺が死んだ時だ、なら俺は俺のために信じて生きるだけだ』
『っ──。あんた、ホントバカね』
『何ぃ~?』
『あんたがそんなだから私が卑屈になる。そんで私自身が嫌になる……私も、あんたみたいに自分を信じられれば強くなれるかしら』
『知らん』
『………』
『けど、まぁ、安心しろよ。お前は俺なんかよりずっと強いんだ、腕っぷしの話じゃなく心の話。ならお前がお前を信じればもっと強くなれる。一緒に強くなっていこうぜ───ミラ』
(───ッッ…!?な、何、今の…あたしの記憶?話してた男の子の顔はわからなかったし、あたしの名前じゃなかった…………けど、ミラってどこかで聞いたことが…)
「サラ、大丈夫?」
「えっ…?あ、ええ。なんでもないわメイリー…」
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