第1話 反国家団体『五忘聖』

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「騎士による国王殺害は世間を震撼させた大事件です、殺されたのはシスフィート女王の前任の国王ですよ」 「まっ、つまりはカス野郎ってことだな」 「まさにその通りです。そして最後の五人目、名はゾルフィル・サバル」 「……ん?その名前は覚えがあるような気がするな…」 「───……フゥ、やっと完成だな。これならば一瞬で大国を火の海に変えられる…ククッ、今から楽しみだな」 くすんだ赤い髪をした男は長きに渡り作り上げた傑作品を見て満足げに、狂気を孕んだ笑みを浮かべて優しく撫でた。 「───この男に関しては明確な罪状はありません。が、開発した大量破壊兵器を使って自国を滅ぼした事実だけはあります」 「思い出した、フレルバ島国を島ごと吹っ飛ばした奴だよな?この時代じゃ並ぶ者無しの天才発明家って呼ばれるほどのヤベー奴だろ?」 「さすがですユラシル様、一生付いていきます」 「一生は頼むからやめてくれ。でもこれでリーダー五人の名前と特徴がわかったな」 ユラシルはこめかみを人差し指でグリグリ押しながら考えを巡らせて閃いて、一度手を叩いた。 「とりあえず、今日はもう寝るぞ。いろいろあって全員疲れてるだろうしな」 「疲れなど無いぞ、貴様が傷も疲労も全部治したんだから」 「それでも気疲れくらいはあるだろ?俺はもう眠くてしょーがねえ、今からテイミスクに戻るのもなんだしここで寝るとするか」
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