プロローグ

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 いつもフラれてばかりだった。嫌われるのが怖くて、いつの間にか素を見せられなくなっていた。  私の何がいけないんだろう?  私はどうしてフラれるんだろう?  いくら考えても分からなかった。でももう決めたんだ。恋なんてしないって。誰も好きになんてならないって。  だってそうすれば傷つかなくて済むから。傷口は時間が経てばかさぶたになっていくけれど、それが剥がれればまた痛い。  その繰り返しに心底嫌気がさしたんだ。でも人の心は自分でもどうすることも出来ない物なんだって知った。  そして人は孤独じゃいられない。だから何度傷ついても、また人を愛してしまうんだ。
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