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自発的な死ぬはないな。グリフィンが解散した直後の失望の時期すら、あの人は生き抜いたから。
再結成に追い込んだのは俺ですけどね。
「死にません」
送信、と。死なないでしょ、あの人。
うーん、こんなにメールのラリーするの初めてなのに、何だこれ。何してる? とか、会いたい、とか、恋人に対して言うことあるだろ。
しかしこのチーズやっぱり美味いな。二つ買っといて良かった。当たりだ。塩気がちょうど良くてビールに……って、返信来たな。
今度こそ事情を説明してくれ。
「多分死ぬ」
「死にません! 何がありましたか!」
脊髄反射でそう入力して送信。
ああもう、家も近くないんだし、通信手段は有効に使ってくれよ。正人さんが携帯持ってくれたの嬉しかったのに、全然活用できてないし、かと思えば今度は無駄遣いだし。
缶の底に残ってたビールをぐいっと飲み干す。もう一本行こう。
腰を上げた途端に、違うメロディが鳴り出した。お、電話だ。そうそう、電話の方が話が早い。最初から電話してくればいいのに。
「はーい。どうしたんですか?」
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