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熱海温泉のホテルで働いていた時、仲居のSさんの息子さんが体験した怪異。Sさん親子は寮住まいだったのだが、その寮の脇には小川が流れていた。ある日、息子さんが奇妙な事を言い出した。
「何かが小川から這い上がって来る音がする」
私も、この寮で生活していたが、確かに何かが飛び込む様な「バシャッ」と云う音が度々聞こえた記憶がある。この音が聞こえ始めてから、息子さんは学校で怪我をする事が多くなった。
「音がすると何かが部屋まで入って来る」
息子さんが、そう言い出してから、Sさんは夜中、寮の庭から「ちりーん」と、鈴の音を聞く様になった。
息子さんが聞く音も、Sさんが聞いた鈴の音も、正体はわからない。
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