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部屋の様子やアルバム・・二人は父親代わりだったのはわかるが咲は独立心は強い方だったからここまでする二人に何も言わなかったのだろうか。
「忍もさ登も家族は何も言わなかったか?」
二人は顔を見合わせてそのことかというように「言わなかったよ。」と答えた。
忍の両親は桜を孫のように可愛がり登の親は女の子が自分の子供も孫にもいなかったから桜はアイドル状態だったと二人は笑った。
「咲は甘やかすなとかうるさかったけどな~。」
「ああ。でも言うのは諦めてたよな。」
「ああ。」
俺の知らない間にどんなやり取りがあったのだろうか。
アルバムには確かに咲と桜と二人が静止画で・・自分の知らない世界がそこにあったずっと一緒にいて行動してきただけに取り残されたような複雑な気分だ。
それを口に出しては言えない・・俺が連絡をしなかったからだと言われて終わる。
でも咲も連絡はしてこなかったんだ・・。
「会いたかったんだけどな。」
つい口に出した言葉は誰にとは言ってなくても二人にはわかったようで・・・
「咲も同じだったんじゃないか?」
「昔からお前らは二人で意地の張り合いしていたよな。」
「言わなくてもいい言葉や態度をして俺達が仲裁に入らないと意味の解らないどっちもどっちの喧嘩してたよな。」
そうだったかな・・・今となっては思い出せないようなただ四人で送った楽しい時だけが脳裏に蘇るんだよ。
「桜大丈夫かな・・ここに連れてきた方がよかったかな。」
登は桜を一人にしたことを気にしていた。
忍もまた同じで・・。
俺は桜が一人になりたいんだろうと思う。家族みたいな関係でも桜は気を使い泣けないんじゃないかって思う。
咲は泣くけどな。
桜は違うような気がするんだ。
「朝になったら様子見に行こう。」それには同感だ。
忍と登のスマホに桜からのメッセージが届いていた。
「今日もありがとう。凱さんにもありがとうってお礼言っておいて。」
やっぱり気を使ってる子なんだよな。
いつの間にか俺は眠っていた・・。
そういえば時差ボケもあるけど、忍の電話から今まで仮眠程度で寝てなかった目が覚めた時夢を見ていたのに内容は覚えていない。
ただ、酷く懐かしい香りがしてあいつが側にいるように感じたんだ。
「咲・・諦めろ俺に隠し事出来ないぞ。」
俺は少し日本に滞在することを決めた。
心にモヤモヤする桜の父親が誰なのか今後どうするのか?
桜の存在を知った以上今向こうに帰ったら後悔すると思うんだ。
咲は俺に追及されたくなくて言わなかったんだろうし・・・。
この日から一週間が俺の人生を左右することになるとは考えもしなかった。
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