咲からの手紙

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咲からの手紙

 手紙の書き出しが「拝啓」とからでなく「凱へ」だったのが咲らしい。  凱へ 貴方がこの手紙を読んでるってことは私は病気に負けたのね。 桜には会ったと言うことだよね。ごめんね言わなくて怒ってるかな、怒ってるよね。  何度か電話しょうとはしたんだけど、出来なくてね。 最後に会った日に少し気まずかったし、凱からの電話を待っているうちにこんなにも年数がたってしまったの。 凱の事だから桜の父親が誰なのかを気にするだろうけど、探すのは桜の意志に従ってあげてね。 病気になる前に保険に入っていたから保険と貯金で桜は生活できると思うの。 病気になって、余命を知った時に連絡するかどうかは悩んだけどしなかったんだ、忍や登にも口止めして。 凱の記憶に残る私は病気の私でありたくなかったんだよ、元気なうちに連絡すればよかったって後悔したんだよ。 会いたかったよ、最後に会った日に言った言葉は覚えてないかもしれないけど本心だから。 思い出の木の下に秘密は隠してあるから・・どこか思い出したら探してみてね。 凱・・ありがとう。
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