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「パスポートの期限は切れてるか・・」
黒だから10年有効のパスポートは咲ので期限は切れていて、まだ若い時の咲の写真だった・・そのパスポートを確認していた俺の横で忍は未使用の航空券はを見ていた。
「凱お前が渡米したのは桜が産まれる前の年の8月3日か?」
「ああ、8月3日の便だったよ。」
なんなんだよ、まさか同じ日の便なのか?俺は忍が差し出してきた航空券を震える手で受け取って確認した。
そこには確かに咲の名前と日付が印刷されていて行先も同じで・・・なあ咲お前なんで。
「咲と何があったんだ?最後に会ったのはいつだ?」
忍は冷静を装っているようだった、俺にはわかるんだ忍は冷静でもない俺に対して怒りを向けないように冷静になろうとしているだけだ。
「7月の最初の週末が最後だよ。」
「お前咲と何があった?何をした?」
忍は俺の胸倉に掴みかかって今にも殴りそうな勢いだった。
マスターは止めに入ったが本気で止めようとはしていないマスターも怒っているのか。
「まあ忍落ち着けよ。凱俺も聞きたい、何があったんだ!」
俺は俺で今まで聞くのが怖くて聞いていなかったことを二人に聞いた。
「この年の7月の終わりくらいに咲に男がいたんだよな?」
「いないよ、お前何を誰から聞いてそう言うんだ?」
マスターも忍と同じ事を言っている、俺は騙されたのか?
「篠原って女じゃね~よな?」
なんで篠原を忍がマスターが知ってるんだ!
「ああ、少しだけ付き合って別れた女だけどなんで篠原の名前が出てくるんだよ。確かに俺と寄りを戻したいって9月頃にアメリカに来た時に咲には恋人がいるって写真も持ってた。」
だから俺は信じたんだ、あの女の言う事を。
「ああ~あの女のやりそうな事だな。」
マスターは眉間に皺をよせて嫌な顔をしている。
「俺は篠原を突き放したんだすぐに帰国したし、関係はなかったよ。」
忍は俺を睨んでいった。
「でもその女の言うことを信じたんだう?」
俺達に裏も取らないでただ一枚の写真でその女の言う事を信じたのかと忍は言った。
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