170人が本棚に入れています
本棚に追加
事実と真実と・・
忍は俺と咲との関係を聞く前に聞けと言わんばかり話し出した。
「篠原って女がな咲を妊娠中に殴ったんだよ。女は咲が妊娠しているって気がついていなかったぽいけど。咲はそれで出血して俺に電話してきて危なかった時期があるんだ。」
篠原 亜由美だったか数か月付き合ったけど渡米するかなり前に別れたあの女が咲を殴った?!
確かにやり直したいとか勝手に言ってアメリカまで来たでも気持ちはないしやり直しなんてあり得ないって話した。
諦めてくれたと思ったが、確かに何故か咲と男の写真を見せて「彼女は幸せみたいよ。」って言った女。
だから俺は自分から咲に連絡しなかったんだ!
「なあ。凱お前と咲との間で何があったんだ?」
俺は咲との出来事を初めて他人に話した。
咲も誰にも話していなかっただろう出来事。
「俺は7月の初め頃に咲と会って一緒に飲んだんだよ。」
俺は忘れることが無かったあの日の話をした。
あの日は渡米する前に咲に会いたくなって咲を呼び出した。
一緒に飲んでいつものように。
ただいつもと違ったのは俺は咲に告白をするつもりでいたってことだった。
やたら緊張したのを覚えてる。
咲はいつもと違うけどどうしたのと聞いてきたくらい緊張していたんだ。
俺はかなり飲んでいたけど、話を切りだせなくて俺の部屋で話したいことがあるって言って初めて咲を俺のマンションの部屋に呼んだんだ。
そこで渡米することをまず伝えたんだ。
「何年行くの?帰国しないの?」
って涙目で聞いてきて俺は数年は帰国できないって言ったんだ。
今度失恋したりしたら誰に相談したらいいのだとか、それは忍も登も
いるからいいけど、何だろう寂しすぎるって泣くんだ。
咲の言葉は支離滅裂になって何となく今のタイミングを逃したら
言えない気がして俺は言ったんだ。
「だったら俺と付き合うか?一緒になる?」
って聞いたら咲は「うん」って頷いたんだよ。
俺は嬉しかったし本気だったから別れるとかは無いと思っていたけど
二人に話をするのに中途半端は嫌だから結婚も意識していたんだ。
愛おしいって感覚を初めて感じて好きだとかそんな簡単なものじゃなく
人を愛するということを初めて自覚して、愛した女が目の前にいて自分の
気持ちを受け入れてくれて、今まで経験したことが無いほど舞い上がって
笑いあって見つめあってキスをして。
ずっと側にいた咲とその時隣にいる咲とは同じなのに違うんだ。
この時間がずっと続くって疑いもしなくてその日初めて付き合って気持ちを確かめて咲を抱いたんだ。
抱いたことは覚えてるし所々は覚えてるけど二人ともかなり飲んでいたか
ら・・いや舞い上がっていたんだよ俺はさ。
次の朝、俺が起きた時に咲は既に服を着ていたし。
「お前避妊はしたのか?」
忍が冷静に聞いてきた。
俺は記憶では避妊しているでも完全な自信はない。
そう答えた俺に忍は溜息をついて言った。
「咲もお前もその篠原って女に引っ掻き回されたんだよ。」
最初のコメントを投稿しよう!