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「俺は部屋に咲以外の女は入れたことはない。俺の写真・・・。」
俺は思い出したんだ、篠原と付き合っている時に鍵をかけ忘れたのか勝手に部屋に入ってきた彼女を・・
「お前その女に鍵をコピーされてたんじゃないか?」
一瞬おれはフリーズした。
まさかではなく、あの女はやりかねないかもしれない、勝手に携帯から咲の番号を抜き出した可能性もある。
別れたきっかけも携帯を無断で見ていた事だったし、それだけでなく毎日電話しろとか仕事中でもしつこくてすぐ別れた女だった。
そんなどうでもいい女が咲を追い詰めたのか?
「あの頃俺は確かに咲と連絡がすれ違いになっていたんだ。会いたくてもどうしても抜けることができない仕事も多くてだから簡単な会話しかできなかった。」
あの時、電話で咲の話をもっとちゃんと聞いていれば違ったのか?
「咲は、俺達が妊娠したって聞いて中絶を勧めるかもって思ったらしくて、妊娠四か月まで言わなかったんだ。」
確かに咲にしたら自分は好きでも相手は二股男でその男は既婚者になるかもしれないという話の後でその男の子供だとは言えなかったのかもしれない。
「俺は医者だよ。簡単に中絶しろなんて言わねーよって咲を叱ったよ。咲の顔色が悪くて胃が悪いとか言ってたから・・
まさかだったが疑わなかったわけじゃなかったんだよ。」
丁度咲が篠原に殴られた事件が起こったのはこの頃だと忍は言った。
「咲のお腹は目立たなかったから妊娠中だとはあの女は思わなかったかもしれない、でも何か咲に言ったんだろうすごく動揺した咲が女に殴られて衝撃で机でお腹を打ち付けたらしいんだ。」
事件はマスターのいるこの店で起こったわけではなかったらしい。
「この店でもしその女が咲に殴りかかるようなマネをしたら俺はその話に凱の名前が出ているのを聞いていたら俺はお前に流石に連絡しただろうな。」
確かにそうだ、マスターなら俺が関係している女が咲を傷つけたとしたらたとえアメリカだろうが何処だろうが連絡してきたと思う。
「その現場どこだったんだよ。」
場所は駅前のカフェで咲は呼び出されて話を聞いていたらしく、突然女がキレだして咲を殴ったらしい。
「周囲に人がいてもちろん警察が来たから目撃者から事情を聞いたらしい。咲は落ち着いていたけど、女は咲のせいで別れたとか子供を失ったとか。」
咲が後で言ったらしいが、女は妊娠中絶の同意書に俺のサインが入っている紙を見せて咲のせいで自分は子供を諦めさせられたと
言ったらしいが・・。
「俺はあの女を妊娠なんてさせてない。咲と付き合う半年前には別れていたし、そんな事実はない。」
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