真相

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確かに二人は思い合ってはいたが、何故かお互いの想いに蓋をするかのような行動ばかりしている様に見えていた。 そんな二人を見ていてもどかしくもあったが変わらない俺達の関係を壊すつもりも無かった。 俺は卑怯だったんだ。 凱がいない時に凱が知らない時に俺は弱っている咲を手に入れようとしたんだ。 「咲は自分が愛しているのは一人でその男の子供だから自分で育てる」って言ったんだ。 たとえその男がどんなに悪い男でも愛しているからって言われたらそれ以上は何も言えなかった。 そこで登が言ったんだ。 「その男がお前の所に帰ってきて、子供を認めるまで俺達が父親の代わりをする。それだけは譲らない!」 俺は登の提案に乗った。 「凱に言うなら俺達から説明してやるぞ。」 そういう登に咲は 「凱ってこういうの怒るから言わないで・・向こうで大変だろうし帰国した時にでも言うから。子供が産まれてからとかでも遅くないかな。」 最初は子供が産まれてから言う。 その次は一歳になってから。 気がついたら咲は病気になった・・その時も治ったら。 凱は凱で帰国もしないし、咲の事を俺達にも聞いてこない。 咲も元気なのかどうかくらいで深く聞かない。 登は気がついていたのかどうかは解らない。 でも俺は何となく二人に何かあったと思っていた。 普通に「咲に子供がいるの知ってるか?」って言わなかった理由は一つ。 桜の父親役を降りたくなかったんだ、咲の夫になれなくても桜の父親役は多分・・登も同じだったと思う。 いや登とは違う俺はどこかで解っていたんだ。 桜の父親は凱じゃないかと解っていたんだ。 だから言わなかった、言えなかったんだ。
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