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「凱は桜をどうしたいんだ?忍や登は聞かなくても解るからいいけどよ。」
マスターはもう一本タバコに火をつける。
「桜はお前の子供だったそれを聞いてさお前はどうしたいんだ?桜はお前が父親だと知らないわけだ、お前も咲に子供がいることも知らなかった、しかも今日その子供が自分の子供だと知ったわけだよ。すぐに結論を出さなくていいかもしれんが・・。」
マスターが心配しているのは俺がアメリカに帰った場合桜を一緒に連れて行くかどうかと、今後俺が父親として名乗りでるかどうか
を聞いている。
桜にしたら今さら俺が父親だと言ってアメリカに行こうと連れて行っても桜に負担になるだけだ。
そんなことは俺でも解っている。
「俺は日本に帰国を考えるよ。日本でも仕事はできるんだ・・。桜には俺は今は父親だと言うのはやめておこうと思ってる。桜が知りたいというなら別だが。」
簡単に言っている訳では無い、責任とかそういうのでもなく。
桜の側にいたい。
「凱・・俺さ家を出ようと思ってるんだ。」
忍は二世帯住宅を出ようと思っていたと話す。
弟が結婚を考えているらしいからそのまま譲るつもりらしい。
「今の時代に長男も次男もないだろうし、結婚しない俺より弟のほうが親の側にいたほうがいいい。凱が父親だと聞く前から咲の余命を知ってから決めていたことなんだ。」
登は黙って聞いていたが、登もまた同じことを考えていたと言い出した。
「俺はさ、桜を引き取るつもりだったよ。忍の家はさ叔母さん達は孫の様に桜を想っているのは解っているけど、桜は気を使う子だから遊びに行くのと生活するのとは違うでしょ?」
幼い頃から桜を見てきた二人は同じ事を考えていたということか。
「なあ、忍、登・・俺が金を出すから四人で住めるマンションなり家を探してくれないか?」
俺は決めたんだ・・もう娘の側から離れないって。父親だと言えなくてもいい。
見守り育てていきたい。
「今さら15年も父親していた二人を桜から離そうとは思わないし、もう一人父親が増えるだけだ。」
俺達は話し合ったことを桜にちゃんと説明して伝えなければいけない。
簡単にウンとは言わない気もする。
なんとなく親父の勘だ!
俺達は明日・・今日決めたことを桜に話そうと決めた。
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