俺達の懇願と桜

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桜が目の前に座る俺達に「なんかあったの?」と少し不安げな戸惑ったような顔をして座っている。 俺達はまるで高校生が中学生がいたずらして「ごめんさない」というような面持ちだったのかもしれない。 スーッと息を吸い込んで一気に話そうとするのはこういう時毎回口火を切るのは登だった。 「あ、あのな・・桜。」 あーっ変わらないな~登は勢いはいいけど話が続かないんだよな・・。 「ん?」 ほら咲と同じ顔してるよ・・・。 見かねた忍が次に話し出す。 「あのさ・・桜じいちゃん先生いるだろう?。」 じいちゃん先生というのは小児科内科の服部先生のことでかなり高齢になってからも診療していたために愛称で「じいちゃん先生」と 桜は呼んでいるらしい。 「うん。先生がどうしたの?」 「かなりの高齢でな服部診療所を辞めるらしいんだわ。」 「えーっ!」 「それでな地域に小児科が無くなるのは良くないだろう?だから俺が後を継ごうと思うんだよ。それでな、住居と病院とがあるから そこをリフォームして。」 「俺達三人と桜とで忍の病院の住居部分で住まないか?」 つ 「そういうことだ。」 忍は話しの腰を折られた形だが俺の焦りも解っているのかそれについては何も言わない。忍も多分桜の結論を知りたいんだ。 「ハイツにねお母さんとの思い出があるんだ~だからね。」 ハイツに住んでいたいと言い出すのは想定済みだ! 「ハイツは・・部屋はそのままでいいよ。」 俺がそう言うと桜は15歳にしたら現実的な事を言い出した。 「家賃もいるし高校になったらアルバイトしてもハイツの部屋はなくしたくないの。」 「ハイツはもう家賃はいらないから心配するな。」 俺がそう言うと桜はもちろん忍や登まで俺を見る。 「ハイツと駐車場かあの場所な俺が買ったから、俺が大家だから家賃とかの心配はない。ただな桜!15歳は未成年なんだよ保護者が 必要なんだだから。」 俺だってな咲と桜の住んでいた場所を失くしたくないんだ・・ そんなことは言えないが本音は咲のいた場所だから残しておきたい。 「登や忍・・俺。俺達が後見人になるからいわゆる保護者だな桜は忍が病院やっているから帰ってきても一人じゃないだろう? 俺達は仕事が遅くなったり出張もある。でも基本俺達三人は桜を一人にはしたくないんだよ。」 「ああ、桜は咲の娘で俺達にとったら大事な娘なんだよ。なんでもありの今なんだからさ父親が三人ってのもいいぞ~ たかり放題!!」 登は説得しているつもりだろうが・・こいつはいつも少しずれる。 「桜はお前みたいな考えじゃないぞ・・桜は将来の夢があるだろうそれをかなえるまで俺達が側にいたらダメか?」 忍は冷静に話す。 「今までと変わらないとは言えないがハイツはそのまま桜が泊まりたい時に泊まって維持したらいい。お母さんとの思い出はそのまま新しい生活だと思うといいかな。」 俺達が一気に話すと桜はキョトンとした顔をしている。そりゃすぐには決めれないよな・・ 「ハイツはいつでも通っていいの?」 「ああ。その為に買ったんだからな。」 桜は少し困った顔をして笑った・・断れないよねっていいながら俺達の提案を受け入れてくれたようだ。 「しーっちゃん、病院の名前は変わるの?」 お!前向き発言だな・・と俺は思った。 「うんこれがリフォームとかイメージ図。」 忍は用意していた完成予定図をバサッとひろげた。 イラスト化されたイメージ図はかなり可愛くお洒落だった。 「さくらんぼ診療所?」 「うん・・桜の名前からイメージしたんだ可愛いだろう。」 忍は用意していた図面をいくつか広げて俺達にも説明してくれた。 「完成までは半年くらいはかかるらしいからさ、それまでは今と変わらない生活だと思うし。凱も桜も今の俺の家で住んだらいい。」 「凱さんアメリカは?」 桜の質問に俺は桜の顔を見て言った・・。 「日本に帰国する。日本でも仕事はできるから心配ないよ。」 桜の頭にポンと手を置くと桜は俺を見上げて本当に?というから 本当だよと言ったら桜は・・ 「すっごい私贅沢?イケオジパパが三人って。」 イケオジってなんだ?というのは後にして桜が提案を受け入れてくれたそれだけで俺達は胸を撫で下ろした。
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