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すべての窓が閉ざされた薄暗い一室に、青年と呼ぶにはやや幼い男が運びこまれる。簡素なパイプベッドに寝かされた青年は、身じろぐことなく熟睡している。
わずかに上下する胸の動きで、青年が生きていることは証明されるが、人形のように可憐で艶めいた顔は、あまりにも作り物じみていた。
青年のそばには男が一人立っている。身にまとった白衣や、知性を感じさせられる細いチタンフレームの眼鏡から医師ではないかと推測されるが、男の容姿がそれを否定した。
痩せこけた頬に窪んだ眼窩。頭蓋骨に皮を貼りつけただけのような不気味な容姿だが、その中でも切れ長の眼光は、ある種の危うい光を宿していた。
肉づきが良ければそれなりに整った容姿をしていただろうが、病的に憔悴しきった男に自ら近づこうとする者はいないだろう。
男はベッドに横たわる青年に身を寄せる。それから男は青年の髪をすき、そのまま目蓋を覆い、唇を合わせる。
そっと触れるだけの戯れのようなものだが、それだけでも男は満たされたような気持ちになった。
男がかつて囚われた「彼」を、ようやく自らの腕に抱くことができるのだから。
もう一度男は青年の唇を塞ぐ。今度は執拗に迫った。息苦しいせいか、わずかに青年が顔をしかめたが、指導内容の範疇だろうと男は思った。これから青年を教育する楽しみが増えた。
男は自分に言い聞かせる。焦ることはない。私は彼の先生であり、彼は私の生徒なのだからと。
最後に男は青年の右足首に頑丈な足枷をはめ、上機嫌のまま監禁部屋を後にした。
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