探し者は僕の方

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外に出てしばらく歩くと、見慣れた横顔。 そして隣りには、幸せそうに微笑む女性。 その二人は一枚絵のように見えて、僕は心に何も響かなかった。 そうか……僕が探していたのは彼じゃない。 "僕といた時の彼"を探していたんだ。 その彼は世界中探したっていないんだって分かってしまった。 僕はあの日から彼を忘れた。 ただすれ違うだけの他人で、僅かな繋がりがあっただけ。 それでいいんだ、それが最善だから。 僕にはやっぱり恋は難しい。
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