第2話 翔太、空を飛ぶ

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20メートルほど進んだその時、背後の宝蔵付近で何かが動くような気配を感じた。 木の枝にふれるような音も聞こえる。 さっきの空を飛んだように見えたモノか、あるいは出ることがあるというイノシシか? 気味悪さに鳥肌が立った。 少しでも早く離れようと足を速める。 そのとたん、ペケがほえた。 驚いた翔太の手から、赤い実が転がり落ちた。 ふり返るが、後方から追いかけてくるモノはなかった。 「……なんだ、おどかすなよ」 ペケに目をやると、地面に落ちた赤い実にかぶりついている。 「ちぇっ、いじきたないやつだな」 自分のことは棚にあげ、ペケに文句をつける。 翔太の不満など気にするようすもなく、ペケはあっという間にかみくだき、飲みこんだ。 それどころか悪びれるでもなく、翔太を見あげしっぽをふる。
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