第30話 大どろぼうの正体

7/8
前へ
/224ページ
次へ
「やっぱり君は刑事向きだ」 本気で言っているのだろうか。 翔太の問いに答えるでもなく、細野刑事が、ゆっくりとふり返った。 「ああ、そうだ。ひとつ言い忘れていた」 人が変わったようにきびしい目で続ける。 「美月を二度と、夜中に連れ出すんじゃないぞ。どんな理由があるにせよ、だ!」 「その時は……不当逮捕も辞さない、ですか?」 わかってるじゃないかと、ばかりに、にやりと笑う。 「美月だけは、盗ませないからな――小さな大どろぼうくん」                 ☆おわり☆
/224ページ

最初のコメントを投稿しよう!

155人が本棚に入れています
本棚に追加