155人が本棚に入れています
本棚に追加
「やっぱり君は刑事向きだ」
本気で言っているのだろうか。
翔太の問いに答えるでもなく、細野刑事が、ゆっくりとふり返った。
「ああ、そうだ。ひとつ言い忘れていた」
人が変わったようにきびしい目で続ける。
「美月を二度と、夜中に連れ出すんじゃないぞ。どんな理由があるにせよ、だ!」
「その時は……不当逮捕も辞さない、ですか?」
わかってるじゃないかと、ばかりに、にやりと笑う。
「美月だけは、盗ませないからな――小さな大どろぼうくん」
☆おわり☆
最初のコメントを投稿しよう!