第1話 あやしい人影

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だれかのお父さんが、一人でもついてくれば問題はなかった。 だけど、そんなキャンプで、ワクワクできるはずがない。 だから、翔太たちはウソをついた。 友達のお父さんが来てくれる、と。 ――そんなウソは、ばれるものと決まっている。 しかも、悪いことに校長先生の耳に入ってしまった。 校長先生は藤原先生を呼び出し、担任の指導がなっていないからだと責めたてた。 そこまでいわれてだまっている先生ではない。 言葉を選びながらも、いつから、教師は、生徒の学校外の行動まで責任を持たなくてはならなくなったのか、と反論したのだ。 さらに、男の子は、それぐらい元気な方がいい、と口をすべらせたのだ。 もちろん、先生が翔太たちをしからなかったわけではない。 事故が起きたらどうするつもりだったんだと、いやというほど説教されたのだ。 「先生。さっきの質問の答えなんだけど……」 「翔太……おまえ、話をそらそうとしているだろ?」 先生のツッコミには、かまわず続ける。 「散歩です。夜だったら犬を怖がる子どももいないし、リードをはずしてもめだたないから」
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