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先生は、夜でもダメだがな、と苦笑しながら続ける。
「それにしても、いつから、そんなに気をつかうタイプになったんだ?」
「なるべく、もめごとはおこさないようにと決めたんです」
「ほーっ。成長したな」
「何年か後に、先生から、おれの出世のじゃまをしたな、って言われたくないですからね」
言い過ぎたかと思ったが、先生は笑いだした。
「後悔するなよ! 今言ったこと。明日の授業ではバンバン当ててやるからな」
「あーっ、ひどい! パワハラていうんじゃないですか? そういうの」
「人聞きが悪いな。愛のムチってやつだ。目上の人をからかうと、ろくなことがないってことがわかるように、な」
「ちぇっ! ……でも、まあなんとかなるか。明日は、得意な科目ばかりだし」
「おう、いい度胸だ。しっかり予習しておけよ、がんぼう!」
がんぼうというのは、このあたりの方言で、がんこな子どもという意味だ。
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