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☆
そしてやってきた、私のバースディ。
人生初のデートの日。
夜は寝つくのが遅かったけれど、その分朝方は泥のような眠りのなかにいた。
私はケータイのアラームでぱっと起き上がり、勝負服に着替えようとクローゼット前のワンピを手に取ろうとした。
その時、ふと、机の上の白いものに目がいった。
――また、手紙だ。
どうしてこんなところに?
ポストに入っていたものを、家族が置いておいてくれたのだろうか。
私は恐る恐る封を開ける。
『お誕生日おめでとう。今日は祝福、粛清の日です』
粛清……って、私。
殺される!?
そう思った時、首許に感じる鋭利なものの感覚。
私は刃物をつきつけられていた。
私はこわごわ、振り返る。
私の体に戦慄が走る。
そこには――。
「お母さん……?」
嫉妬に狂った顔をした母がいた。
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