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☆
「今そこにいた男の子って、夏芽ちゃんのボーイフレンド?」
ある日、帰宅すると母に尋ねられた。
母は庭の木々にホースで水を撒いていた。
だから、五月くんと一緒にいたところを見られていたのだろう。
「うん……えへへ」
「中学生で彼氏かー。夏芽ちゃんもやるわね。私なんて就職してお見合いでお父さんとおつき合いするまでは男の子とは縁遠かったもの」
母は頬に手を当てて、ほうっと息を吐く。
「そうなんだ。知らなかった」
「羨ましいわ。しかもあんなカッコイイ子」
私はまた、誇らしい気分になってしまう。
誰もが羨む男の子。そんな子の彼女は私。
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