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☆
そんなハッピーな私の生活に雷が打ち始めたのは、五月くんとつきあい始めて1週間ほどが経った頃だ。
いつものようにラブラブ下校デートから帰ってくると、私はポストのなかに手紙が入っているのを見つけた。
宛名は小岩夏芽様。私のことだ。
おかしなことに、それは住所も書いてなかったし、切手も貼ってなかった。
私はその白い封筒をその場で開け、中身を見てみる。
『彼氏できたからって、ちょーしこかないでください』
え?
パソコンで印字されたその文面に、私は硬直してしまう。
誰? こんなことしてきたの。
私は放課後だけでなく、朝も昼も五月くんと一緒にいる。
それをよく思わない子がいたのだろう。
私の家に遊びに来たことがある沙綾や幸か……。
それとも、五月くんと私の後をこっそりつけてきて、私の家を特定した生徒の仕業か……。
浮かれていたから、天罰?
私はこころが折れそうになった。
なんか、誰も信用できなくなってきた。
五月くんに相談しても、気を遣わせるだけ。
心配もかけたくない。
別れることなんてしたくない。
私はとりあえず重いこころを抱えたまま、数日を過ごした。
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