振り返ればそこに

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 ――好きだ。俺とつきあってください――  呼び出された放課後の体育館裏。  長身の身体をぺこりと半分に折って、彼は言う。 「え、そんな、私なんかでいいの?」  告白してきた五月くんは、うちの中学のアイドルだ。  美少年で、勉強もスポーツもできる。  はっきり言って、私なんかに興味ないって思っていた。  ――夏芽ちゃんがいいんだ。美人で優しそうで、ずっといいなって思ってた――  私は思わず胸が、頬が、ぽっとなる。 「私で……よければ」  ぱっと五月くんは顔を上げ、そしてビックスマイルになる。  ――よかった! 嬉しい!――  そして私たちの交際は始まった。
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