エール

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エール

この場所は、子供たちの遊び場でもあり、子供たちを守る場所でもある。 その細菌性ウイルスは、この場所には流れない。 子供たちは100%安全だ。。 「ーーWW1512」 そんな名前がついているだけで、実際よりもっと大きな病気と言うイメージだ。 でも、この感染ウイルスはただ笑い転げてしまうだけである。 そして笑いが止まらなくなる。 それだけーー。 なのに、大人たちは働くのを辞め、情けなく家に引きこもったまま。。 政府が至るところに取り付けた監視カメラの画面越しに映る。そんな大人たちの情けない姿に画面越しにエールを送る。 「ーーお父さん、お母さん、、頑張って!」 子供たちの声が木霊する。 もっともその声は、大人たちに届くはずもないと分かっている。 しかし、声に出さずにはいられない。 大人達は働くのを辞め、危険回避をしているつもりなのだろうか? 一歩も外に出ない。 このままじゃ、動物達がどうのとか、ウイルス感染がどうとか言う前に、栄養失調とかで餓死してしまいそうだ。 「タケルくん。。動物達が逃げたのも、このウイルスも、ただの実験なんだよね?」 司は不安そうに聞いた。 「はい!ただの実験ですーー」 タケルは答える。
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