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「お前の片山さん、て、どうもイメージつかないって言うか、ばらけてるっていうか」 「うん、俺にもいまいちよく分からない」 「一度会った時はさあ、しっかりしてるっていうか、そんなふうに見えたけどな」 「たぶん、仕事はできるんだよ、あの人。ただ日常生活はわりとぼろぼろって言うか」 「ぼろぼろ……」 「ぼろぼろだな、しかも社畜」 そんなんで、一人暮らし大丈夫なのか?と、結構本気で言われたけれど、もうなんと答えたもんか、非常に困った。 冷静に考えてみれば本当に、片山は全然完璧じゃない。どころか、わりと欠けている部分が多い気がする。 家事が苦手とか生活がぼろぼろなのはおそらく元々の資質だろう。高校時代はみんな親元にいたから、よくわからなかったけど。 あの自己評価の低い自信のなさと希望のなさは、おそらく大学からなのだろう。 片山と槙野が別れたのが結局いつなのか、まだちゃんと聞いていない。というか、そういう突っ込んだ話を聞ける気がしない。 いま、槙野と別れていることは確かで、それさえ確かならそれでいい気もしている。 ただ、片山の雰囲気が昔と違うのは、おそらく槙野とのことが影響しているのだろう、とは思うから、気にはなる。
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