フランケンシュタインの嘘

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1 しょうもない話は世の中にたくさんある。 しかし、しょうもない話を具体的にあげて欲しいと言われても困ってしまうはずだ。 もしもそんなときが来たらこの話をして欲しい。とんでもなくしょうもなくて、きっと期待に応えられるはずだから。 一言で言うと、ついた嘘に首を絞められていく男の話だ。それだけの話だ。ほら、しょうもない話だろう? このしょうもない話の主人公の名前はレオン。レオン・ベルジュ。 この物語はレオンの物語だ。 ただ、レオンがおぎゃーと生まれたときからこの物語の核となる十八歳になるまでを網羅的に書いていくことはしない。それは百科事典の領分であり、物語の役目ではない。 とは言っても、きっかけがなければ物語は始まらない。まずはレオンという男について書いていこうと思う。 レオンは十八歳のとき戦場にいた。そこから始めるのがいいだろう。
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